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パリで「東京物語」


パリで、小津安二郎監督の「東京物語」の舞台が観れる!
ということで行ってきました、パリの北部、Théâtre Paris – Vilette(テアトル パリ・ヴィレット)。

肝心の劇場の写真がボケてしまったのですが、こちらの劇場はパリ19区、ラ・ヴィレット公園内の一角にあります。
この広大な公園内には様々な文化施設があり、最近では、ジャン・ヌーヴェルが手がけて2015年1月にオープンしたコンサートホール、フィルハーモニー・ドゥ・パリで注目を集めています。

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数年前にZenithというコンサートホール(こちらはロックコンサートなどがメイン)に来た以来でしたが、知らない間にかなりのリニューアル!?
ここはどこ状態で、早めに来て場所探索をしなかったことを後悔。もう冬時間ですので19時半は既に夜ですが、夏場は気持ちいいだろうな〜と思いつつ、素敵な夜景を楽しみながら劇場に直行しました。

さて、肝心の舞台。老夫婦が東京に住む子供たちの家を訪ねるというストーリー、東京と尾道という舞台設定はそのまま。
そしてセリフも日本語をフランス語に忠実に訳したものなのですが、驚くべきはなんといっても、お父さん(なんとパリで活躍中の俳優、笈田ヨシさん!)以外は全てフランス人という配役!知人からお誘いいただき配役は聞いていたので、「さていかなるものか?」と興味本意で来たのですが、意外にすんなり入り込めました

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クラッシック作品の舞台化などによく見られる、やりすぎ、奇をてらう感はなく、舞台セットはシンプルでモダンながらもきちんと和を感じさせ、生演奏の音楽と音響も、戦後の伝統的な日本の家族の風景、心情をノスタルジックに表現することに成功していました。かといって、ただ日本映画をフランス人俳優で忠実に舞台化しただけではもちろんなく、古き良き日本、小津安二郎の世界観をちょっとロックでシュールなスパイスを効かせてフランス、現代らしいアレンジを加えていて、オリジナルのファンを失望させず、かつ「お!」と思わせる仕上がりになっていたのでは?と思います。舞台好きでもオリジナルファンでもないので、反論が上がってくるかもしれませんが、個人的には予想以上に楽しめました。
笈田ヨシさんの存在感と演技がやっぱり光っていました。

途中、公園全体の電気が落ちたようで、15分くらい中断した後、復旧の見通しが立たないため最前列の人たちの携帯のライトで舞台を照らして続行、終演と同時に復旧!というフランスならではのトラブルもありましたが、オリジナルの映画は白黒。薄明かりの中で静かに展開する家族の物語、これはこれで面白い演出となりました。照明ありの普通バージョンとも比べてみたい気もしましたね^^

そして、パリに来て、なぜ「東京物語」を?と思われる方もいるかと思いますが、観劇をしてみたい方、フランス劇は、よほどフランス語が達者でないと正直キツイです、、、雰囲気だけでも、というなら王道のコメディフランセーズをお勧めしますが、内容をしっかり楽しみたいなら、こちら「東京物語」をお勧め。映画を観ていけば、ストーリーは頭に入っていますし、映画もそうですがセリフがとてもシンプル。滑舌のいい舞台俳優がゆっくり静かに話すので、初心者でも頑張ればついていけそうなので、フランス語の勉強にもぴったり!コメディフランセーズの古典喜劇などはあまりにも高尚で美しいフランス語の聞き取り&理解に苦しみ、途中で努力を放棄してウトウト・・・が多数でしたが、今回は最初から最後まで一言一句、家族に、古き良き日本に思いを馳せながら堪能できました!

では、Bon spectacle!
Voyage à Tokyo, Dorian Rossel / Cie STT

公演日:11月8日〜19日(月曜は公演なし)
公演時間:火水木土20時〜、金19時〜、日16時〜(1時間半)
アクセス:Théâtre Paris-Villette
211 avenue Jean Jaurès, 75019 PARIS
Métro 5番線 Porte de Pantin出口でてすぐです。
http://www.theatre-paris-villette.fr/spectacle/voyage-tokyo/